フルミスト®とは?

鼻に噴霧する生ワクチンで、鼻・のどの粘膜に“弱くした”ウイルスを少量かけて粘膜免疫+全身免疫をつけます。対象は2歳〜18歳未満。1シーズン1回で完了(注射なし)。接種後約1〜2週間で効果が出始め、発症や重症化の予防に役立ちます。

どのくらい効きますか?
海外の大規模データでは、子どもでおよそ50〜70%程度の発症予防効果が報告されています(シーズンや流行株により差があります)。たとえば英国の小児プログラムでは2022/23季66%、2023/24季63–65%という成績でした。
一部の季節(特にA/H1N1が優勢だった年)に効きが弱かった報告もありますが、その後も各国で注射ワクチンと同等の選択肢として位置づけられています。日本小児科学会

禁忌(接種不適当者)

  • 明らかな発熱(通常37.5℃以上)、重篤な急性疾患のある人。
  • 本剤成分でアナフィラキシー既往がある人(ゼラチン・卵等を含む)。
  • 明らかな免疫機能異常がある、免疫抑制療法中(副腎皮質ステロイド全身投与、シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン等)〔使用中は接種不可〕。
  • 妊娠している人。

慎重投与・医師判断が必要(要注意)

授乳中の人(後述の“接種後の配慮”を参照)。

重度の喘息/喘鳴のある人(国内は「要注意」扱い。米国は2〜4歳で喘鳴既往がある場合はLAIVを推奨せず)。

重度の喘息/喘鳴のある人(国内は「要注意」扱い。米国は2〜4歳で喘鳴既往がある場合はLAIVを推奨せず)。

ゼラチン過敏症既往、鶏卵・鶏肉など鶏由来にアレルギーの恐れがある人。

心・腎・肝・血液疾患、発育障害等の基礎疾患、けいれん既往、免疫異常の既往/家族歴。

腎・肝機能障害のある人。

よくみられる副反応
鼻水・鼻づまり・のどの痛み・咳・軽い発熱などのかぜ様症状が主で、多くは数日で落ち着きます。重いアレルギー反応はまれです。

受けるタイミングの目安
流行前(秋)に済ませると安心です。

まとめ:フルミスト®は「鼻から1回」で受けられる小児・思春期向けのインフルエンザ予防ワクチンです。注射と同程度の効果が期待でき、痛みが苦手なお子さんにも選びやすい選択肢です。適さない条件もあるため、持病や服薬中のお薬を含めて医師にご相談ください。また、数に限りがございますのでクリニックまでお電話でのお問い合わせをお願いいたします。