- 2025年12月15日
- 2025年12月22日
今からでもインフルエンザワクチンは遅くない|大泉学園駅徒歩4分|水谷内科呼吸器科クリニック
サブクレードK流行と、12月中盤以降にインフルエンザワクチンを接種するメリット(インフルエンザB型流行にも備える)

当院で最近よくあるご相談がこれです。
「もう12月中盤だけど、今からインフルエンザワクチンを打って意味がありますか?」
結論から言うと、今からでも遅くありません。
その理由は、今年話題のインフルエンザA(H3N2) サブクレードKの流行状況と、流行後半に増えやすいB型の存在、そしてワクチンの主目的が重症化予防である点にあります。
今年の流行でニュースに頻繁に出てくるキーワードが
「サブクレードK(subclade K)」です。
サブクレードKは、季節性インフルエンザA(H3N2) の中の一群で遺伝子の違いで分類される「細かいグループ(亜系統)」です。
国際的には J.2.4.1(別名K subclade) として扱われています。
重要なのはここで、サブクレードK=新型インフルエンザではありません。
WHOも「重症度が特別に上がった証拠は現時点で明確ではない」としつつ、遺伝子的には“目立つ変化”であるため注目されています。
さらに厚生労働省は、2025年9月以降で日本国内のH3インフルエンザウィルスのうち96%がサブクレードKであったと報告しています。
インフルエンザワクチンは感染予防にどれくらい効果があるのか?
多くの患者さんが一番知りたいのは、
「インフルエンザワクチンを打てば、どれくらい感染を防げるのか」
という点だと思います。
仕事や学校を休みたくない、予定を崩したくない、という現実的な理由から、感染そのものを防げるかどうかは非常に重要な関心事です。
この点について、まず結論からお伝えします。
インフルエンザワクチンは、感染を完全に防ぐものではありませんが、感染する確率を下げる効果があることが、公的機関の解析から示されています。
世界保健機関(World Health Organization:WHO)や米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)では、毎シーズン、ワクチンの予防効果を解析しています。
それらの報告によると、シーズンや年齢、流行株との一致度によって差はありますが、インフルエンザワクチンの感染予防効果は、おおむね40〜60%程度とされています。
つまり、ワクチンを接種することで、インフルエンザにかかる可能性を約半分程度に下げられる年が多い、というのが現在の医学的な整理です。
ただし、この数値は毎年一定ではありません。
今年のように、インフルエンザA(H3N2)のサブクレードKなど、流行しているウイルスの性質がワクチン株と完全に一致しない場合には、感染予防効果はやや低下する可能性があります。
今年のインフルエンザワクチンは「どの株」に対応している?
2025/26シーズンに日本で流通している(不活化HA)インフルエンザワクチンの製造株は、以下のとおりです。
・A/Victoria/4897/2022 (H1N1)pdm09
・A/Perth/722/2024 (H3N2)
・B/Austria/1359417/2021 (B/Victoria系統)
※今年は国内で3価(A型2株+B型1株)での運用が明示されています。
では質問:サブクレードK流行でも、ワクチンは“意味がある”のか?
結論:意味があります
世界の感染症対策で重要な役割を担っているWHOおよびCDCの考え方として、インフルエンザワクチンの主目的は「感染を100%防ぐ」ではなく「重症化・入院・死亡を減らす」であると言っています。
サブクレードKは、今年のワクチンに含まれるA(H3N2)株(A/Perth/722/2024)と完全一致しない可能性が論点として指摘されています。
しかし、一致度が完全でない年でも、重症化予防の利益が期待されるというのがWHO、CDC、そして我が国の国立感染症研究所(National Institute of Infectious Diseases:NIID)の共通見解です。また社会全体で免疫をつけて高齢者や重いご病気をお持ちの方を守るという観点も重要です。
12月中盤以降でも「今から接種」するメリットは何か?
「今さら意味があるの?」に対して、当院としてはメリットを3つに整理してお伝えします。
1) これからの流行後半も、インフルエンザは続く(B型も含む)
インフルエンザは、流行が一度で終わるとは限りません。
特にB型は流行後半に増えるシーズンもあるため、12月中盤以降でも「打つ意義がなくなる」とは言えません。
今年のワクチンにはB/Austria/1359417/2021(B/Victoria系統)が含まれており、B型への備えにもなります。
2) 重症化予防(肺炎・入院・持病悪化)という“最重要目的”が残る
インフルエンザで問題になるのは、
・高熱の遷延
・肺炎
・入院
・喘息・COPDなど呼吸器疾患の増悪
です。
たとえ「ワクチンと流行ウイルスの細かな違い」があっても、重症化を避ける目的で接種を検討する合理性は残ります。
3) 社会全体で高齢者や重い疾患を抱える人を守るという意義
インフルエンザワクチンの意義は、自分自身がかからないためだけのものではありません。
社会の中には、高齢の方、心臓病や肺疾患、腎疾患、糖尿病などの基礎疾患を抱えている方、免疫力が低下している方など、インフルエンザにかかると重症化しやすい人が多く生活しています。
こうした方々を守るためには、一人ひとりがワクチンを接種し、社会全体で感染の広がりを抑えることが重要です。
特に「今からでも接種メリットが大きい方」
当院としては下記に該当する方はインフルエンザワクチン接種の優先度が高いと考えています。
・喘息・COPDなど慢性呼吸器疾患がある
・心疾患・糖尿病・腎疾患など基礎疾患をもっている
・高齢者
・医療・介護・教育など対人接触が多い職種
・小児や高齢者と同居している方
・今シーズンのインフルエンザワクチン未接種の方
よくあるご質問(FAQ)
Q1. サブクレードKが流行していると「今年のワクチンは効かない」ですか?
A. 「効かない」と断定はできません。ワクチンの主目的は重症化を防ぐことで、公的機関は接種を推奨しています。
Q2. 12月中盤から打っても遅くない?
A. 遅くありません。 体内で防御が整うまで時間がかかるため、可能なら早めが望ましい一方、流行が続く限り接種の意義は残ります。
Q3. B型の流行にも備えられますか?
A. 今年のワクチンはB/Victoria系統(B/Austria/1359417/2021)も対応しています。
練馬区・大泉学園でインフルエンザワクチンをご検討中の方へ
大泉学園駅から徒歩4分にある水谷内科呼吸器科クリニックでは、インフルエンザをはじめとする各種呼吸器感染症のみでなく、様々な疾患による体調相談や診察にも対応しています。
オンライン予約していただくとスムーズに受付が可能です。
日常生活が少しでもラクに、深呼吸が気持ちよくできるように。
あなたの呼吸を守るため、私たちが全力でサポートいたします。
監修
水谷内科呼吸器科クリニック
院長 松平 秀樹
略歴
- 平成 6年 東京慈恵会医科大学医学部卒業、医師国家試験合格
- 平成 6年 東京慈恵会医科大学付属病院研修医
- 平成 8年 東京慈恵会医科大学外科学講座入局
- 平成12年 癌研究会附属病院 外科
- 平成13年 東京慈恵会医科大学 呼吸器外科
- 平成21年 独立行政法人国立病院機構東京病院 呼吸器外科
- 平成22年 東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 外科
- 平成30年 東京慈恵会医科大学付属病院 呼吸器外科
- 令和 4年 町田市民病院 外科(呼吸器外科担当部長)
- 令和 7年 松平小児科副院長
- 令和 7年 10月より水谷内科呼吸器科クリニック開業
資格
- 医学博士
- インフェクションコントロールドクター
- 日本呼吸器外科学会 呼吸器外科専門医
- 日本外科学会外科 外科専門医
- 医療経営士3級
所属学会
- 日本結核・非結核性抗酸菌症学会
- 日本肺癌学会
- 日本外科感染症学会
- SIGMA Xi (Regular member)
- 日本呼吸器外科学会
- 日本外科学会
- 日本胸部外科学会