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クリニックブログ

  • 2026年5月13日

朝起きても疲れが取れない…

それ、ダニアレルギー性鼻炎が関係しているかもしれません

「しっかり寝ているはずなのに朝がつらい」
「日中ぼーっとする」
「一年中、鼻づまりがある」

このような症状の背景に、ダニアレルギーによる通年性アレルギー性鼻炎が関係していることがあります。

花粉症は季節性ですが、ダニアレルギーは一年を通して症状が続きやすく、特に

  • 鼻づまり
  • 口呼吸
  • 睡眠の質の低下

につながることが知られています。

近年は、アレルギー性鼻炎と睡眠の関係についての研究も進んでおり、
単なる「鼻の病気」ではなく、生活の質(QOL)や日中の集中力にも影響する疾患として考えられるようになっています。


ダニアレルギー性鼻炎と睡眠の関係

鼻づまりが睡眠の質に影響する

ダニアレルギーでは、慢性的な鼻粘膜炎症によって鼻閉(鼻づまり)が起こりやすくなります。

鼻閉が続くと、

  • 鼻呼吸がしづらい
  • 口呼吸になりやすい
  • 夜間に眠りが浅くなる

といった状態につながります。

2024年のレビューでは、アレルギー性鼻炎による鼻閉は、睡眠の質低下や日中の眠気、集中力低下と関連すると報告されています。


「睡眠の問題」だと思っていたら、鼻炎が背景だったケースも

実際の診療では、

  • 朝起きても疲れが取れない
  • 日中眠い
  • 集中力が続かない

という理由で受診された方に、
ダニアレルギー性鼻炎が関係していることがあります。

特に、

  • 一年中鼻づまりがある
  • 朝起きると鼻がつまっている
  • 季節に関係なく鼻炎症状が続く
  • 寝るときに口呼吸になる

といった場合は、ダニアレルギーの関与を考えるきっかけになります。


ミティキュア®とは

ミティキュア®は、ダニアレルギーに対する舌下免疫療法(SLIT:sublingual immunotherapy)の薬です。

舌の下から少量ずつダニ抗原を取り込み、
アレルギー反応を起こしにくい状態を目指す治療です。

抗ヒスタミン薬などが「症状を抑える治療」であるのに対し、
舌下免疫療法は、

アレルギー反応の出方そのものを変化させる可能性がある治療

として位置づけられています。


どのような方が対象になるのか

ミティキュア®は、

  • ダニによる通年性アレルギー性鼻炎
  • ダニ特異的IgE抗体陽性

の方が対象です。

特に、

  • 鼻づまりが強い
  • 薬だけでは十分に改善しない
  • 一年中症状が続く
  • 長期的なコントロールを考えたい

といった方では、治療選択肢の一つになります。


ミティキュア®と睡眠・QOLに関する研究

ダニ舌下免疫療法(HDM-SLIT)については、
鼻炎症状だけでなく、睡眠や生活の質(QOL)との関連についても研究が進んでいます。

2024年の実臨床研究では、
ダニアレルギー性鼻炎・喘息患者において、

  • 主観的な不眠
  • 日中の眠気

の改善が観察されたと報告されています。

また、ダニを含むSLIT錠治療で、QOL全体の改善が報告されています。

ただし重要なのは、

ミティキュア®は睡眠薬ではない

という点です。

ダニアレルギー性鼻炎による鼻閉や炎症が背景にある場合に、
鼻炎を長期的にコントロールすることで、睡眠や日中の過ごしやすさに良い影響が期待されることがあります。


使用方法と当院での対応

  • 1日1回舌下投与
  • 長期継続が必要(一般的には3年以上)

当院では安全のため、

  • 初回投与は院内で実施
  • 投与後30分間観察

を行っています。


副反応について

比較的多い副反応として、

  • 口のかゆみ
  • のどの違和感
  • 軽い口腔症状

などがあります。

多くは軽度ですが、
まれに全身性アレルギー反応が起こる可能性があるため、開始時には注意が必要です。


海外ガイドラインでの位置づけ

英国NICE(National Institute for Health and Care Excellence)では、2025年にダニ舌下免疫療法(12 SQ-HDM SLIT)を、

「通常治療だけでは十分にコントロールできない、中等症〜重症の持続性ダニアレルギー性鼻炎」

に対する治療選択肢として評価しています。

日本のアレルギー性鼻炎ガイドラインでも、ダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法は正式な治療選択肢として位置づけられています。


まとめ

  • ダニアレルギー性鼻炎は、鼻づまりを通じて睡眠の質に影響することがある
  • 朝のだるさや日中の眠気の背景に鼻炎が関係しているケースもある
  • ミティキュア®は、ダニアレルギーに対する舌下免疫療法
  • 鼻炎症状だけでなく、QOL改善に関する研究も報告されている
  • 長期的なコントロールを考える方の選択肢の一つ

一年中続く鼻づまりや睡眠の質低下が気になる場合は、
症状や生活背景を含めて整理することが大切です。

松平 呼吸器内科・アレルギー科クリニックでは、大泉学園地域の皆さまの呼吸の健康を守るため、丁寧な診断とわかりやすい説明を心がけています。
「ダニアレルギーかも」と感じたら、お気軽にご相談ください。

監修

松平 呼吸器内科・アレルギー科クリニック 
院長 松平 秀樹

略歴

  • 平成 6年 東京慈恵会医科大学医学部卒業、医師国家試験合格
  • 平成 6年 東京慈恵会医科大学付属病院研修医
  • 平成 8年 東京慈恵会医科大学外科学講座入局
  • 平成12年 癌研究会附属病院 外科
  • 平成13年 東京慈恵会医科大学 呼吸器外科
  • 平成21年 独立行政法人国立病院機構東京病院 呼吸器外科
  • 平成22年 東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 外科
  • 平成30年 東京慈恵会医科大学付属病院 呼吸器外科
  • 令和 4年 町田市民病院 外科(呼吸器外科担当部長)
  • 令和 7年 松平小児科副院長
  • 令和 7年 10月より水谷内科呼吸器科クリニック開業
  • 令和 8年 4月よりクリニック名変更(松平 呼吸器内科・アレルギー科クリニック)

資格

  • 医学博士
  • インフェクションコントロールドクター
  • 日本呼吸器外科学会 呼吸器外科専門医
  • 日本外科学会外科 外科専門医
  • 医療経営士3級

所属学会

  • 日本結核・非結核性抗酸菌症学会
  • 日本肺癌学会
  • 日本外科感染症学会
  • SIGMA Xi (Regular member)
  • 日本呼吸器外科学会
  • 日本外科学会
  • 日本胸部外科学会

参考文献

  • Pagel JML, et al.
    Allergic Rhinitis and Its Effect on Sleep.
    Otolaryngol Clin North Am. 2024.
  • Jaffuel D, et al.
    SQ HDM Sublingual Immunotherapy Tablet for the Treatment of House Dust Mite–Induced Allergic Rhinitis and Asthma: Effects on Subjective Insomnia and Sleepiness.
    J Investig Allergol Clin Immunol. 2024.
  • Blaiss MS, et al.
    Sublingual Tablet Immunotherapy Improves Quality of Life in Patients With Allergic Rhinoconjunctivitis.
    J Allergy Clin Immunol Pract. 2024.
  • Okano M, et al.
    Japanese guidelines for allergic rhinitis 2020.
    Allergology International. 2023.
  • NICE Technology appraisal guidance TA1045. 2025.
松平 呼吸器内科・アレルギー科クリニック
医師
松平 秀樹
診療内容
呼吸器内科・内科・アレルギー科
住所
〒178-0063
東京都練馬区東大泉6丁目51-4
TKマンション 1F
アクセス
西武池袋線「大泉学園駅」より徒歩4分
駐車場
なし(クリニック前にコインパーキングあり)
お支払い方法
現金のみ
診療時間日祝
9:00~12:00
15:00~18:00

★:9:00~12:00
◎:水曜午後(15:00~18:00)の外来担当は山田医師になります。
休診日:木曜日・日曜日・祝日

発熱外来は特別な時間を設けておりません。随時、受け付けております。
ご来院時の受付にて、症状を確認し院内感染予防のため、一般外来と異なる場所で検査・診察・会計を行っております。