- 2026年10月31日
気管支喘息(ぜんそく)とは? まず知っておきたい基本【ぜんそくシリーズ第1回】

この記事のポイント
- ぜんそくは、気道に炎症が続き、敏感になって、狭くなったり戻ったりを繰り返す病気です。
- 症状はゼーゼー・息苦しさ・咳。夜から明け方に出やすく、咳だけのこともあります。
- 治療の基本は、炎症を抑える薬を続けることです。
1. ひとことで言うと
ぜんそくは、空気の通り道(気道)に、炎症が続く病気です。
炎症があると、気道はとても敏感になります。冷たい空気、ほこり、かぜなど、ふだんなら平気な刺激にも反応してしまいます。
反応した気道では、次のことが起こり、空気が通りにくくなります。
- 気道の内側がむくむ
- 気道のまわりの筋肉が縮む
- 痰が増える

気道の狭さは、日や時間によって変わります。調子の良い時と悪い時の差があるのが、ぜんそくの特徴です。
専門的には、「気道の慢性的な炎症が土台にあり、気道が狭くなる程度が変わることで、ゼーゼー・息苦しさ・胸苦しさ・咳などが出る病気」とされています(日本アレルギー学会)。
2. よくある症状
- ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸の音
- 息苦しさ、胸が苦しい感じ
- 咳、痰
症状は夜から明け方に出やすいのが特徴です。
季節の変わり目や、冷たい空気、香水・線香などのにおいで、症状が出ることもあります。
すべての症状がそろうとは限りません。咳だけが続くこともあります。
3. どんな人がかかるの?
ぜんそくは、子どもにも大人にも多い病気です。
- 子ども:約8〜14%
- 大人:約9〜10%
(日本呼吸器学会)
子どもの頃に治まっていた方が、大人になって再び出ることもあります。大人になってから、高齢になってから初めて発症する方もいます。
原因としては、次のものがよく知られています。
- ダニ・ハウスダスト・ペットのフケ・カビへのアレルギー
- かぜなどのウイルス感染
ただし、原因がはっきりしないこともあります。
4. ぜんそくは怖い病気?
かつて日本では、ぜんそくの発作で亡くなる方が多くいました。
治療と管理の進歩で、ぜんそくで亡くなる方は、2022年にはほぼ1,000人まで減りました。1980〜1990年代前半の約6分の1です(日本アレルギー学会)。
今は、きちんと治療を続ければ、多くの方がふだんどおりの生活を送れます。
一方で、「発作がない時は大丈夫」と治療をやめると、炎症が残り、強い発作につながることがあります。
5. 治療の基本
治療の基本は、炎症を抑える薬を続けて、発作を起こさないことです(日本呼吸器学会)。
- 中心は吸入ステロイド薬です。吸い込んで気道に直接届けるので、正しく使えば副作用は少ないとされています。
- 症状に合わせて、薬の量を調整したり、別の薬を加えたりします。
- 発作の時は、すぐに効く気管支拡張薬を使います。
- 原因を避けること、たばこを吸う方は禁煙も大切です。
くわしくは、シリーズの中であらためてご説明します。
6. こんな時は受診を
- 咳やゼーゼーを繰り返している
- 咳が3週間以上続いている
- 夜や明け方に、咳や息苦しさで目が覚める
発作が起きて、薬を使っても良くならない時は、すぐに医療機関を受診してください。
7. 当院でできる検査
- 呼吸機能検査:息を思いきり吐いて、空気の通りやすさを調べます。
- 呼気NO検査:息を吐くだけで、気道の炎症の程度を調べます。
- 胸部X線検査:肺やほかの病気がないかを確認します。
- 血液検査:アレルギーの体質を調べます。
どの検査を行うかは、症状や診察をもとに医師が判断します。
8. 次回予告:ぜんそくの歴史
ぜんそくを表す英語「asthma(アズマ)」は、古代ギリシャ語で「あえぎ」「息切れ」を意味する言葉が由来です。
次回は、ぜんそくが昔からどう考えられ、治療がどう進歩してきたのかをご紹介します。
練馬区・大泉学園で受診をお考えの方へ
咳が長引く、ゼーゼーする、息苦しいといった症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
ぜんそくシリーズ(全10回予定)
- 第1回 気管支喘息とは?(この記事)
- 第2回 ぜんそくの歴史
- 第3回 ぜんそくの定義と体の中で起きていること
- 第4回 原因と悪化させるもの
- 第5回 咳ぜんそく・鼻炎とのつながり
- 第6回 診断と検査
- 第7回 治療の基本と正しい吸入
- 第8回 発作の時の対応と受診の目安
- 第9回 ぜんそくと上手につきあう
- 第10回 重い ぜんそくの新しい治療
※この記事は一般的な情報です。診断や治療は、診察のうえで医師が判断します。
※記事中のイラストは、AIで作成したイメージです。
監修:松平 呼吸器内科・アレルギー科クリニック 院長 松平 秀樹
最終更新:2026年10月31日
参考資料
- 日本呼吸器学会「C-01 気管支ぜんそく」
https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/c/c-01.html - 日本アレルギー学会「アレルギーの手引き2025」
https://www.jsaweb.jp/huge/JSA_tebiki2025.pdf - Online Etymology Dictionary「asthma」
https://www.etymonline.com/word/asthma