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クリニックブログ

  • 2026年8月4日

夜中や明け方に咳き込んでいませんか?──自分では気づきにくい「咳喘息」というかたち

呼吸器内科コラム

夜中や明け方に咳き込んでいませんか?──自分では気づきにくい「咳喘息」というかたち

練馬区・大泉学園|松平 呼吸器内科・アレルギー科クリニック

喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)がなくても、咳だけが続く「喘息のかたち」があります。ご自身の咳が当てはまるかどうか、一緒に振り返ってみましょう。

この記事の内容

  • ① こんな咳の続き方、心当たりはありませんか
  • ② 「咳喘息」「喘息様咳嗽」とは、どういうものか
  • ③ なぜ見過ごされやすいのか
  • ④ 気になる場合、何をすればよいか
  • ⑤ 検査で「見える化」するという選択肢
  • ⑥ アレルギー体質が分かったら──鼻炎治療という選択肢について
  • ⑦ 当院での診療の流れ
  • ⑧ まとめ

練馬区大泉学園の呼吸器内科・アレルギー科クリニック、院長の松平です。

「咳はもう2週間以上前からなのに、熱もないし、ゼーゼーいう感じもない。だから風邪の治りかけだと思っていました」——診察室でこうおっしゃる方は、実は少なくありません。

喘息というと、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音とともに息苦しくなる発作をイメージされる方が多いと思います。ですが、そうした喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難がなく、咳だけがしつこく続くタイプの喘息があることは、あまり知られていません。今回は、ご本人も気づきにくいこの「咳のかたち」について、当てはまるかどうかをご自身で振り返っていただけるよう整理してみます。

1こんな咳の続き方、心当たりはありませんか

以下は、いわゆる「咳喘息(がいぜんそく)」や「喘息様咳嗽(ぜんそくようがいそう)」でよく見られる咳の特徴です。すべてに当てはまる必要はありませんが、いくつか重なる場合は、一つの手がかりになります。

こんな咳、心当たりはありませんか

  • 風邪のような症状はおさまったのに、咳だけが2〜3週間以上続いている
  • 夜、布団に入ってからや、明け方に咳き込むことが多い
  • 季節の変わり目や、冷たい空気を吸ったとき、運動したとき、大きく笑ったときに咳が出やすい
  • 会話中に急に咳き込んでしまい、止まらなくなることがある
  • 喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)や、明らかな息苦しさは自覚していない
  • 市販の咳止めを試しても、あまり効いた感じがしない

こうした咳が続く場合、風邪のこじれや後鼻漏(こうびろう)など他の原因のこともありますが、喘息の一種であるにもかかわらず、喘鳴を伴わないために気づかれにくいケースが含まれている可能性があります。

2「咳喘息」「喘息様咳嗽」とは、どういうものか

気管支喘息は、気道に慢性的な炎症が起きて敏感になり(気道過敏性)、発作時に気道が狭くなることで、喘鳴や呼吸困難を伴う病気として知られています。

これに対して「咳喘息」は、気道の炎症や過敏性は喘息と同じように存在するものの、気道の狭窄が軽く、喘鳴や呼吸困難を伴わず、咳だけが唯一の症状として現れるタイプと考えられています。慢性的に続く咳(8週間以上続く咳)の原因として、国内でもっとも頻度が高いものの一つとされています。

「喘息様咳嗽」という表現は、咳喘息とほぼ同じ状態を指す言葉として使われることが多く、いずれも「喘息の仲間でありながら、咳だけが目立つタイプ」と捉えていただくとイメージしやすいかもしれません。

3なぜ見過ごされやすいのか

咳喘息が見過ごされやすい理由は、まさに「喘鳴がない」という点にあります。息苦しさもゼーゼーという音もないため、ご本人も周囲も「ただの咳が長引いているだけ」「風邪がなかなか抜けきらないだけ」と考えてしまいやすいのです。

ただし、正直にお伝えすると、咳喘息を治療せずに長期間放置した場合、その一部(目安として3割程度と報告されています)が、将来的に喘鳴や呼吸困難を伴う典型的な気管支喘息へ移行することがあると考えられています。すべての方が移行するわけではありませんが、早めに気づいて対応しておくことには意味があると言えます。

4気になる場合、何をすればよいか

上記のような咳が2〜3週間以上続く場合、まずは呼吸器内科にご相談いただくことをおすすめします。市販薬や自己判断だけで様子を見続けるよりも、一度きちんと状態を確認しておくことで、安心につながることが多いです。

もちろん、長引く咳の原因は咳喘息だけとは限りません。感染後の咳、後鼻漏、逆流性食道炎など、他の原因が関わっていることもありますので、実際に診察・検査をしてみないと分からない、というのが正直なところです。

5検査で「見える化」するという選択肢

咳喘息が疑われる場合、当院では問診や胸部の診察に加えて、必要に応じていくつかの検査で状態を確認しています。

その一つが、呼気中の一酸化窒素濃度を測定するFeNO(呼気ガス分析)検査です。息を吐くだけの数分程度の検査で、気道にアレルギー性の炎症がどの程度起きているかの目安を知ることができます。針を刺す必要もなく、当日その場で数値が分かるため、診断の手がかりとして活用しています。FeNO検査について詳しくはこちらの記事で解説しています。

もう一つは、採血によるアレルギー検査(当院ではView39というアレルゲン検査を用いています)です。咳喘息は、ハウスダストやダニ、花粉などのアレルギー体質(アトピー素因)と関連していることが少なくないため、どのアレルゲンに反応しやすい体質かを確認しておくことは、今後の対策を考えるうえで参考になります。

6アレルギー体質が分かったら──鼻炎治療という選択肢について

View39の結果、ダニやスギ花粉などへのアレルギーが分かった場合、実は鼻炎症状(鼻づまり・くしゃみ・鼻水)も一緒に抱えていらっしゃる方が少なくありません。咳と鼻炎は同じアレルギー体質から起きていることが多く、鼻炎側の症状を整えることが、結果的に咳の管理にもプラスに働くことがあります。

その選択肢の一つが、舌下免疫療法(スギ花粉症にはシダキュア、ダニアレルギーにはミティキュア)です。これは毎日少しずつアレルゲンを体に慣らしていくことで、体質そのものの改善を目指す治療で、数年単位で継続する治療法です。

正確にお伝えしたいこと:シダキュア・ミティキュアはアレルギー性鼻炎に対する治療薬であり、喘息そのものを治療する薬ではありません。あくまで、咳喘息の背景にアレルギー性鼻炎がある場合の選択肢の一つとしてご紹介できるもの、とご理解いただければと思います。開始できるかどうかは、検査結果や体質、症状の状況によって異なりますので、ご相談のうえで判断していきます。

7当院での診療の流れ

当院では、長引く咳でご相談いただいた場合、問診で症状の出方(時間帯・誘因・持続期間など)を詳しくお伺いしたうえで、必要に応じて胸部レントゲン、呼吸機能検査、FeNO検査、アレルギー検査(View39)などを組み合わせてご提案しています。検査の内容は症状や状況に応じて異なりますので、すべての方に同じ検査を行うわけではありません。

8まとめ

  • 喘鳴を伴わず、咳だけが2〜3週間以上続く場合、咳喘息(喘息様咳嗽)の可能性もあります
  • ご本人が「ただの風邪の名残」と思っていても、実際には喘息の一種であることがあります
  • 放置すると将来的に典型的な喘息に移行することもあるため、早めのご相談がおすすめです
  • 当院ではFeNO検査やアレルギー検査(View39)を通じて、状態を確認しながら診療を進めています

思い当たる症状がある方は、一人で様子を見続けず、一度ご相談にいらしてください。

WEB予約はこちら

場所:練馬区東大泉6-51-4 TKマンション1F(西武池袋線 大泉学園駅 南口から徒歩4分)
電話:03-3867-8141
休診:木曜・日曜・祝日


【監修】松平秀樹(まつだいら ひでき)

  • 平成6年 東京慈恵会医科大学医学部卒業、医師国家試験合格
  • 平成6年 東京慈恵会医科大学付属病院研修医
  • 平成8年 東京慈恵会医科大学外科学講座入局
  • 平成21年 独立行政法人国立病院機構東京病院 呼吸器外科
  • 令和7年 10月より水谷内科呼吸器科クリニック開業
  • 令和8年 4月よりクリニック名変更(松平 呼吸器内科・アレルギー科クリニック)
  • 資格:医学博士/インフェクションコントロールドクター/日本呼吸器外科学会 呼吸器外科専門医/日本外科学会 外科専門医

【参考文献】
・日本呼吸器学会「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン」
・日本アレルギー学会 喘息予防・管理ガイドライン

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断や治療を保証するものではありません。症状には個人差があり、実際の診断・治療方針は診察のうえで判断いたします。本記事は医療広告ガイドライン(厚生労働省)を遵守して作成されています。

松平 呼吸器内科・アレルギー科クリニック
医師
松平 秀樹
診療内容
呼吸器内科・内科・アレルギー科
住所
〒178-0063
東京都練馬区東大泉6丁目51-4
TKマンション 1F
アクセス
西武池袋線「大泉学園駅」より徒歩4分
駐車場
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診療時間日祝
9:00~12:00
15:00~18:00

★:9:00~12:00
◎:水曜午後(15:00~18:00)の外来担当は山田医師になります。
休診日:木曜日・日曜日・祝日

発熱外来は特別な時間を設けておりません。随時、受け付けております。
ご来院時の受付にて、症状を確認し院内感染予防のため、一般外来と異なる場所で検査・診察・会計を行っております。