- 2026年6月30日
採血で39種類のアレルゲンを一度に調べる—View 39® アレルギー検査とは|練馬区・大泉学園|松平 呼吸器内科・アレルギー科クリニック
アレルギーの原因が分からない——そんな方に役立つのが、採血1回で39種類のアレルゲンを一度に調べられる「View 39®」アレルギー検査です。当クリニックでは、花粉症・アトピー性皮膚炎・気管支喘息・食物アレルギーなど多彩なアレルギー疾患のスクリーニングにこの検査を活用しています。

1. View 39® とは何か
View 39® は、サーモフィッシャーダイアグノスティックス社が開発し、LSIメディエンス社が検査受託している「特異的IgE抗体パネル検査」です。
1回の採血で、日本人に多いアレルゲン39種類すべてのIgE(免疫グロブリンE)値を同時に測定できます。個別に採血を繰り返す必要がなく、患者さんの身体的負担を最小限に抑えつつ、幅広い原因を一度に把握できるのが最大の特徴です。
採血1回で39種類のアレルゲン特異的IgEを同時スクリーニングできる検査です。測定結果と症状・診察所見を合わせて医師が評価し、治療方針の参考にします。
2. 調べられる39種類のアレルゲン
View39では吸入系アレルゲン19種類(ヤケヒョウヒダニ・コナヒョウヒダニ・ハウスダスト・スギ・ヒノキ・カモガヤ・ブタクサ・ヨモギ・アルテルナリア・アスペルギルス・ラテックスほか)と、食物系アレルゲン20種類(卵白・牛乳・小麦・大豆・ピーナッツ・エビ・カニ・イクラ・サーモン・マグロ・バナナ・キウイほか)の計39項目を、1回の採血で一度に測定します。
※ 特異的IgE陽性(感作あり)と食物アレルギー症状の出現は必ずしも一致しません。確定診断には食物経口負荷試験が必要です(食物アレルギーの診療の手引き2023)。
3. 検査を受ける意義
① 原因特定で治療の精度が上がる
アレルゲンが特定できると、薬の選択・環境整備・食事指導など治療の方向性が明確になります。ダニが原因と分かれば寝具の管理、スギ花粉が原因と分かれば舌下免疫療法の適応を検討できます。
② 予防的確認として
「まだ症状が軽いうちに原因を把握しておきたい」という方にも有用です。特に小児では早期確認がその後の治療方針の決定に役立ちます。
③ 複数疾患が重なるケースの整理
花粉症・喘息・食物アレルギーが同時にある場合、IgEの全体像を把握することで治療の優先順位が整理しやすくなります。
4. こんな方にお勧めします
- くしゃみ・鼻水・目のかゆみが続くが、原因が分からない
- 皮膚のかゆみや湿疹が繰り返す(アトピー性皮膚炎・じんましんを含む)
- 咳が長引いている(アトピー咳嗽・気管支喘息の可能性)
- 特定の食べ物のあとに口やのどがかゆくなる
- これまでアレルギー検査を受けたことがない
- お子さんのアレルギー体質を確認したい
5. 再検査が必要なケース
一度の検査で陰性でも、時間の経過とともに新たな感作が生じることがあります。以下のような場合は再検査をご相談ください。
- 引っ越しや生活環境の変化後に症状が出てきた
- 新しい食べ物を食べてから体調が変わった
- 以前の検査から数年以上が経過している
6. 検査の流れ
検査は通常の外来受診の流れで行えます。特別な準備は不要で、食事制限もありません。
- 受診・診察 ── 症状や生活歴を医師がお聞きします。
- 採血 ── 通常の静脈採血1回で39項目すべてを測定します。
- 結果まで約5日 ── 検査センターで測定後、当院に結果が届きます。
- 結果説明の外来予約 ── 医師が数値の意味と今後の対策をていねいにご説明します。
7. 結果の見方(クラス0〜6)
測定結果は「クラス」という段階で表示されます。クラスが高いほど感作の程度が強いとされますが、クラスの高さが症状の重さと必ずしも比例するわけではありません。
| クラス | IgE値(UA/mL) | 判定 |
|---|---|---|
| 0 | 0.34未満 | 陰性 |
| 1 | 0.35〜0.69 | 疑陽性 |
| 2 | 0.70〜3.49 | 陽性(軽度) |
| 3 | 3.50〜17.49 | 陽性(中等度) |
| 4 | 17.5〜49.99 | 陽性(高値) |
| 5 | 50.0〜99.99 | 陽性(非常に高値) |
| 6 | 100.0以上 | 陽性(極めて高値) |
8. 治療への活用
検査結果は以下の治療・生活指導に直接つながります。
- 環境整備 ── ダニが陽性であれば寝具・カーペットの管理、ネコが陽性であれば接触回避など、具体的な対策をご提案します。
- 薬物療法 ── 原因アレルゲンに応じた抗ヒスタミン薬・点鼻薬・吸入薬を選択します。
- 舌下免疫療法 ── スギ花粉またはダニが陽性の場合、根本的治療となる舌下免疫療法の適応を検討できます。
- 食物アレルギー対応 ── 原因食材を把握し、必要に応じて除去食の指導や専門医療機関への紹介を行います。
9. 花粉食物アレルギー症候群(PFAS)との関連
なお、PFASとアレルギーの関係については今後のブログで詳しくご説明します。
10. よくある質問(FAQ)
Q. 子どもでも受けられますか?
採血が可能な年齢であれば小児にも実施できます。小児アレルギーの評価や食物アレルギーの全体像把握に活用しています。年齢・状況に応じてご相談ください。
Q. 以前に総IgEだけ測ったことがある場合、それとは違いますか?
総IgEは「アレルギー体質全体の傾向」を示す指標であり、どのアレルゲンに反応しているかは特定できません。View 39® では39種類それぞれのIgEを個別に測定するため、原因の特定に役立ちます。
Q. 結果が出たらどうすればよいですか?
結果は約5日後に出ます。当院では結果説明のための外来予約にて、医師が直接ご説明します。数値だけでなく、具体的な対策や治療の方向性をお伝えします。
※ 本記事は医療・健康情報の提供を目的としたものであり、診断・治療を保証するものではありません。症状や治療方針については、必ず担当医師にご相談ください。記載内容は執筆時点(2026年6月)の情報に基づいています。
11. View39と他のアレルギー検査の比較
アレルギー検査にはいくつかの種類があり、症状や目的によって最適な検査は異なります。View39(多項目特異的IgE検査)の位置づけを他の主要検査と比較しました。
| 検査法 | 採血 | 同時測定数 | 結果まで | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| View39(本検査) | 1回のみ | 39項目 | 約7〜10日 | 網羅的・定量値で経過観察も可能 |
| 単項目IgE検査 | 1回 | 1〜数項目 | 約7〜10日 | 特定アレルゲンを集中確認したいとき |
| 皮膚プリックテスト | なし | 数〜20項目 | 当日15〜20分 | 即時型反応を迅速確認。専門技術が必要 |
| 食物経口負荷試験 | 一部あり | 1品目ずつ | 半日〜1日 | 実際の症状発現を確認。専門施設のみ対応 |
当院では「まず広く原因を絞り込みたい」初診の方にView39をお勧めしています。検査結果を踏まえ、さらに特定のアレルゲンの確認が必要な場合は単項目IgE検査の追加や、食物経口負荷試験を実施する専門施設へのご紹介にも対応しています。
監修
松平 呼吸器内科・アレルギー科クリニック 院長 松平 秀樹
- 平成 6年 東京慈恵会医科大学医学部卒業、医師国家試験合格
- 平成 6年 東京慈恵会医科大学付属病院 研修医
- 平成 8年 東京慈恵会医科大学 外科学講座入局
- 平成12年 癌研究会附属病院 外科
- 平成13年 東京慈恵会医科大学 呼吸器外科
- 平成21年 独立行政法人国立病院機構東京病院 呼吸器外科
- 平成22年 東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 外科
- 平成30年 東京慈恵会医科大学付属病院 呼吸器外科
- 令和 4年 町田市民病院 外科(呼吸器外科担当部長)
- 令和 7年 松平小児科 副院長
- 令和 7年 水谷内科呼吸器科クリニック 開業
- 令和 8年 松平 呼吸器内科・アレルギー科クリニック(クリニック名変更)
資格:医学博士 / インフェクションコントロールドクター / 日本呼吸器外科学会専門医 / 日本外科学会専門医
参考文献
- 鈴木義徳, 他: 臨床病理 60, (7), 621, 2012.
- LSIメディエンス「Viewアレルギー39」WEB総合検査案内(2026年6月時点)
- 食物アレルギーの診療の手引き2023(厚生労働省補助事業)
- 日本アレルギー学会「アレルギー疾患の手引き」
- Crameri R. In vitro allergy diagnosis. EAACI Global Atlas of Allergy. 2014.