- 2026年6月22日
40歳からの特定健診ガイド|松平 呼吸器内科・アレルギー科クリニック(大泉学園・練馬区)

■ はじめに──40歳は、体の「転換点」
40歳を迎えると、身体の中でゆっくりと変化が始まります。
「まだ症状はない」「健診は後でいい」と感じている方も多いかもしれません。しかし、生活習慣病(高血圧・高血糖・脂質異常・肥満)のリスク因子を一つ以上持つ人は、受診者の約8割にのぼることが特定健診のデータから示されています(練馬区公式資料より)。
その怖さは、初期段階にほぼ自覚症状がないという点です。気づかないまま放置すると、ある日突然「心筋梗塞」「脳卒中」という形で深刻な結果を招くことがあります。
40歳代は、生活習慣を見直すことで将来の疾患リスクを大きく変えられる、最も重要な時期のひとつです。そのための最初の一歩が「特定健康診査(特定健診)」を受けることです。
この記事では、練馬区の特定健診とはどのような検査か、何を調べているのか、なぜ今受けるべきなのかを、医学的なエビデンスとともにわかりやすく解説します。
■ 特定健康診査(特定健診)とは
特定健診は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満)および生活習慣病の早期発見を目的とした健康診査です。
「高齢者の医療の確保に関する法律」(2008年施行)により、40〜74歳の医療保険加入者を対象として、医療保険者が実施を義務付けています。
練馬区の特定健診 概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 40〜74歳で練馬区国民健康保険に加入している方 |
| 自己負担 | 300円 |
| 受診場所 | 区内・近隣 約620か所の協力医療機関 |
| 受診券 | 4月〜5月頃、練馬区から対象者へ郵送 |
| 受診期間 | 令和8年度は6月〜3月(医療機関により異なる) |
受診券が届いていない場合は、健康推進課成人保健係(03-5984-4669)へご確認ください。
■ 検査項目と「なぜ測るのか」の医学的意味
健診の数値は単なる「測定値」ではなく、それぞれに医学的な意味があります。
🔵 身体計測(身長・体重・腹囲・BMI)
単に「太っているかどうか」を見るだけではありません。特に重要なのが腹囲です。
腹囲は内臓脂肪の蓄積量を反映します。体重が標準でも、内臓脂肪が多ければメタボリックシンドロームの診断基準に該当します(男性85cm以上、女性90cm以上がひとつの目安)。内臓脂肪はLDLコレステロールや血圧、血糖に悪影響を与え、動脈硬化を加速させます。
🔴 血圧測定
高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれ、自覚症状のないまま血管にダメージを蓄積させます。日本高血圧学会のガイドラインでは、130/80 mmHg以上を「高血圧」と定義しており、放置すると脳卒中・心筋梗塞・腎臓病のリスクが著しく上昇します。
日本人の約3人に1人が高血圧とされており(厚生労働省国民健康・栄養調査)、患者の多くが治療を受けていない「未治療高血圧」の状態にあるとされています。
🟡 血糖・HbA1c(糖尿病マーカー)
空腹時血糖は受診当日の状態を反映しますが、HbA1c(グリコヘモグロビン)は過去1〜2か月の平均血糖値を示します。この2つを組み合わせることで、境界型糖尿病(糖尿病前症)の早期発見が可能です。
2型糖尿病は一度発症すると完治が難しい疾患ですが、前段階(境界型)で発見した場合は、生活習慣改善によって糖尿病への移行を約58%抑制できるというエビデンスがあります(DPP試験:Diabetes Prevention Program、NEJM 2002年)。
🟠 脂質検査(LDL・HDL・中性脂肪)
- LDLコレステロール(悪玉):高値が続くと血管壁にプラーク(コブ状の沈着物)を形成し、動脈硬化を引き起こします
- HDLコレステロール(善玉):血管壁からコレステロールを回収する保護因子。低値は逆にリスクとなります
- 中性脂肪(トリグリセリド):食後高値や持続的高値はメタボリックシンドロームのマーカーです
この3つを組み合わせた「脂質プロファイル」で、将来的な心臓病・脳卒中のリスクを総合的に評価します。
🟤 肝機能検査(ALT・AST・γ-GTP)
アルコールを飲まれる方だけの問題ではありません。近年は非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)──飲酒習慣がなくても肥満や高カロリー食によって脂肪が肝臓に蓄積する状態──が急増しています。
NAFLDは放置すると、脂肪性肝炎(NASH)→肝硬変→肝がんへと進行する可能性があります。特に40歳代で増加傾向にあるため、ALTの値は注意が必要な項目のひとつです。
🟣 腎機能検査(クレアチニン・eGFR)
慢性腎臓病(CKD)は、国内患者数が約1,480万人と推計され(日本腎臓学会)、成人の約8人に1人に相当します。初期症状はほぼなく、進行すると透析が必要になります。
eGFR(推算糸球体濾過量)は腎機能を数値で示す指標で、早期に低下を捉えることで生活習慣や薬剤調整によって進行を遅らせることができます。
🩺 心電図(12誘導)
安静時12誘導心電図では、不整脈(心房細動など)・狭心症の虚血性変化・心肥大などを評価します。心房細動は脳梗塞の原因の約25%を占めるといわれており、無症状のまま経過する場合も多いため、定期的な検査が重要です。
👁 眼底検査
眼の奥にある「眼底血管」は、体の中で肉眼的に直接観察できる唯一の血管です。高血圧や糖尿病が進行すると眼底の血管に変化が現れるため、内臓の血管ダメージを間接的に評価することができます。
■ なぜ40歳代の方に特定健診が大切なのか
40歳代は「リスクの蓄積」が始まる時期
20〜30代の頃は自覚症状がなく経過していた生活習慣の乱れも、40歳を過ぎると数値として現れ始めます。
特に40歳代の方で増加している所見が以下の4つです。
▶ 内臓脂肪の増加(メタボリックシンドローム)
30代に比べ基礎代謝が低下し、同じ食生活でも内臓脂肪が蓄積しやすくなります。特に腹部の内臓脂肪は、高血圧・高血糖・脂質異常を同時に引き起こすため要注意です。
▶ HbA1c・血糖値の上昇
膵臓のインスリン分泌能は年齢とともに低下します。境界型糖尿病(糖尿病前症)は40歳代から急増し、この段階での発見・介入が最も効果的です。
▶ 脂質異常(LDL・中性脂肪の上昇)
40歳代は特に中性脂肪が高くなりやすい時期です。動脈硬化が静かに進行している方も少なくありません。
▶ 高血圧の進行
ストレス・睡眠不足・塩分過多が重なりやすいライフステージで、上の血圧(収縮期血圧)が130台に入り始める方が増えます。
40歳代での発見が、最も「修正の余地」が大きい
生活習慣病のリスクを40歳代で発見した場合、食事・運動・禁煙などの生活習慣改善で疾患リスクを大幅に下げられる余地があります。
一方、50〜60代で動脈硬化が進行した段階での発見では、血管の変化がすでに不可逆的になっているケースも多く、改善できる幅が限られます。
「早期発見」の本当の価値は、若い時期に見つけるほど大きい──40歳代は、その最初の重要な機会です。
■ 特定保健指導── 検査だけで終わらない継続的な保健指導
特定健診でメタボリックシンドロームのリスクが高いと判定された方には、「特定保健指導」が無料で提供されます。ご加入の保険者(練馬区や健康保険組合など)を通じて、保健師・管理栄養士などの専門職が3〜6か月間、生活習慣の改善をサポートする制度です。
厚生労働省のデータでは、特定保健指導の実施後3年で、メタボリックシンドロームが31%減少し、腹部肥満が33%改善したと報告されています。
■ 松平 呼吸器内科・アレルギー科クリニックで受けられます
当院は大泉学園エリア(練馬区東大泉)にある呼吸器内科・アレルギー科専門クリニックです。
特定健康診査(メタボ健診)を実施しています。
健診結果のご相談も承ります
「数値が少し高かったが、どう対応すればよいか」「生活習慣を改善したいが何から始めるべきか」「血圧・血糖の管理を医師と一緒に進めたい」といったご相談を、日常診療の中でお気軽にどうぞ。
当院の専門医が、健診後のフォローアップをていねいにご説明します。
📍 場所:練馬区東大泉6-51-4 TKマンション1F(大泉学園駅から徒歩圏内)
📞 電話:03-3867-8141
🗓 受付:診療時間内にご来院・お電話ください
■ まとめ──受診券が届いたら、今年こそ受けてみてください
特定健診は「病気になってから受けるもの」ではありません。「病気になる前に気づくために受けるもの」です。
自覚症状がない時期にこそ、体の内部では変化が始まっています。40歳代は、生活習慣を変えることでその先の10年・20年を大きく左右できる時期です。
年に1回の特定健診を習慣にすることは、将来の大病・高額な治療費・入院リスクを回避するための、最も費用対効果の高い行動のひとつです。
受診券が届いたら、ぜひ当院へお越しください。
■ お電話でご予約ください
特定健診のご予約はお電話で受け付けています。受診券をお手元にご用意のうえ、診療時間内にお電話ください。
受付時間:診療時間内(月・火・水・金・土午前)
松平 呼吸器内科・アレルギー科クリニック
〒178-0063 東京都練馬区東大泉6丁目51-4 TKマンション1F
☎ 03-3867-8141 | 大泉学園駅南口から徒歩4分
※ 本記事は医療・健康情報の提供を目的としたものであり、診断・治療を保証するものではありません。症状や治療方針については、必ず担当医師にご相談ください。記載内容は執筆時点(2026年6月)の情報に基づいています。
監修
松平 呼吸器内科・アレルギー科クリニック
院長 松平 秀樹
略歴
- 平成 6年 東京慈恵会医科大学医学部卒業、医師国家試験合格
- 平成 6年 東京慈恵会医科大学付属病院研修医
- 平成 8年 東京慈恵会医科大学外科学講座入局
- 平成12年 癌研究会附属病院 外科
- 平成13年 東京慈恵会医科大学 呼吸器外科
- 平成21年 独立行政法人国立病院機構東京病院 呼吸器外科
- 平成22年 東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 外科
- 平成30年 東京慈恵会医科大学付属病院 呼吸器外科
- 令和 4年 町田市民病院 外科(呼吸器外科担当部長)
- 令和 7年 松平小児科副院長
- 令和 7年 10月より水谷内科呼吸器科クリニック開業
- 令和 8年 4月よりクリニック名変更(松平 呼吸器内科・アレルギー科クリニック)
資格
- 医学博士
- インフェクションコントロールドクター
- 日本呼吸器外科学会 呼吸器外科専門医
- 日本外科学会 外科専門医
- 医療経営士3級
所属学会
- 日本結核・非結核性抗酸菌症学会
- 日本肺癌学会
- 日本外科感染症学会
- 日本呼吸器外科学会
- 日本外科学会
- 日本胸部外科学会
参考情報・出典
- 練馬区公式ホームページ「特定健康診査」https://www.city.nerima.tokyo.jp/hokenfukushi/hoken/kenkoshinsa/
- 厚生労働省「特定健診・特定保健指導の効果検証」
- Knowler WC et al. Reduction in the incidence of type 2 diabetes with lifestyle intervention or metformin. NEJM 2002;346:393-403.(DPP試験)
- 日本腎臓学会「CKD診療ガイドライン2023」
この記事は医療広告ガイドライン(厚生労働省)を遵守して作成されています。掲載内容は一般的な医学的情報であり、個別の診断・治療を示すものではありません。症状がある場合は医師にご相談ください。